SSブログ

無料混浴露天風呂~創作落語 [創作落語]

日本国内はあちらこちらに温泉がありまして、そのせいでしょうか、日本人は温泉大好き民族ですなぁ。わたくしもそんな日本人の一人でして、いろんな所の温泉に行きましたなぁ。北は北海道の知床の相泊温泉から、南は沖縄の那覇市内の『りっかりっか湯』まで。わたくしは誰が何と言おうとも露天風呂が大好きですなぁ。開放感ともうひとつ別の理由で。男なら誰しもありがちな理由です。真夜中に車でよく行ったもんです。

男「さあ、着いた、着いたっと。真っ暗やから足元に気ぃつけなあかんなぁ。ホンマ、真っ暗で何も見えんわい」
チャポン!
女「きゃっ!」
男「あっ、失礼。こんな所に女の人が入ってるとは思いませんでしたので、あっちへ行きますわ」
女「いえいえ、真っ暗で何も見せませんし、危ないし、お気を使われなくても・・・」
男「いやいや、いくら無料混浴露天風呂とはいえ、それはあきまへんやろ?」
女「いえ、ホントに危ないから・・・」
男「そうですか?ほな、お言葉に甘えて失礼します」
チャポン!
男「(ラッキー!)・・・」
女「・・・、あのぅ、この露天風呂にはよく来られるんですか?」
男「ええ、まあ、ちょくちょく、たまにですが疲れた時に・・・(そんな訳ないやろ?車で片道3時間もかかって疲れに来てるだけや!)」
女「わたしもたまに来るんですのよ」

そんな会話を交わしているうちに雲間から月が現れ、真っ暗だった辺りをほんのりと照らしはじめます。
女「あら、月が出てきましたわ(月明かりでかすかに見えるけど、イチロー似のいいオ・ト・コ!うふっ)」
男「(おぉっ~!矢田亜希子似の美人や!ラッキー!しかも・・・)え?もしかして、真っ裸で入ってるんですか?普通、女の人やったらバスタオル巻いてとか水着着て入るでっしゃろ?」
女「ええ・・・。恥ずかしいですわ(ポッ)」
男「ほな、あっち向いてますわ」
女「いえいえ、お気を使わずに。真っ暗だったから、『真っ裸でもいいかなぁ?』って思って・・・」
男「そら、こちらとしては願ったり叶ったり?」
女「へ?」
男「いやいや、独り言ですわ」
女「お風呂に入るのですから服も下着も全部脱いで裸で入るのが当たり前ですわ。『お風呂に入るならスッポンポン。水着を着るくらいならお風呂に入らない』って思いますの。これを『全か無の法則』って言いますのよ」
男「なかなか、男気ならぬ女気がありますなぁ。『全か無の法則』って・・・、いやぁ、こんな時に使う言葉やったんですなぁ。勉強不足でしたなぁ。すっかり『カッコイイ男を見たらべッカムと思え』の事やと思うてましたわ。『べッカムの法則』って・・・。さっぶー」
女「うふふふっ!イチローさんって、なかなかユーモアのあるお方ですね」
男「そりゃ、温泉ですから、湯moreって・・・。またまたさっぶー!」
女「ハンサムでユーモアがあって素敵!惚れちゃいましたわ」
男「よう言われとります」
女「でも、わたしでさえ真っ裸で入ってるのに、先ほどから見ていましたら、下半身だけタオルで隠して真っ裸では入らないのはどうしてですか?」
男「はい。『べッカムの法則』は男前だけです」


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

お花見 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。