「長い」一日

老人ホームに入所している私のおばあちゃん(91才)、今日は私がお見舞いに行くと風邪をひいて熱を出していたので他の入所者にうつらないように隔離され、ベッドの上で過ごしていました。
ただでさえ長く感じる老人ホームの一日が余計に長く感じ、気分もすぐれないのか「何にも考えることない。もう死にたいわ」と言いながら泣くばかりでした。
食欲も進まず、「おいしくないわ」と言いながらお粥をノロノロと口に運ぶのがやっとで「情けなくて情けなくて死にたいけれど、こんなにあるやろ？」と手のひらを見つめながら言うので、「何がそんなにあるの？」と聞いたら「生命線が長いねん」との返事が返ってきました。
スタッフの目を盗んで内緒で小さなチョコレートを食べさせたら「これ、チョコレート？おいしいね」と言うので「おいしいと感じるってことは風邪も治るってことや。長生きするでぇ。生命線を消しゴムで消しときよ」と言って帰ってきました。

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